「Windows 365 Cloud PC」が正式サービス開始。月額定額制で2vCPU/8GBメモリが5570円など
Microsoftの「Windows 365 Cloud PC」について書いていきたいと思います。
完全に正確では無いのですが、既存のカテゴリやワードに当てはめて言うのであれば、Windows 10 Cloud PCは「マネージドVDI」のサービスです。
そもそもVDIとは何でしょうか。
VDIとは Virtual Desktop Infrastructure の略称で、デスクトップ(つまりパソコン)を仮想化し、ネットワーク上のサーバやクラウド上に構築した環境ということになります。ユーザーはその環境に対して別の物理端末などからリモートデスクトップなどを用いてアクセスして利用するということになります。
アクセス元の物理端末の種類は様々で、例えばiPhoneやiPadからクラウド上のWindowsを操作するなんてことも出来たりします。結構便利そうですよね。
その他、企業でよく利用されるユースケースとしては、限定的なネットワーク内からしかアクセスできないアプリケーションなどを利用するために、そのネットワーク上にVDIを構築し、ユーザーは外部などからVPNを併用してVDIを経由してアプリケーションにアクセスするといった用途があります。
通常このVDIというのは、自前でサーバーを用意したりして環境を作らなくてはならないのですが、世の中にはいくつかそれを楽にしてくれるサービスが存在します。いくつか例を貼っておきます。
Amazon WorkSpaces(セキュアな仮想デスクトップ(VDI)サービス )| AWS
Azure Virtual Desktop | Microsoft Azure
これらのサービスは多少なりとも、AWSもしくはAzureにおいて環境構築をする必要があるのですが、Windows 365 Cloud PCを「マネージドVDI」と書いたのは、そういった手間を極力廃してくれているサービスだからです。後述しますが、Windows 365 Cloud PC Businessはほとんど手間いらずで利用出来ます。
さて、上記のAzure Virtual Desktopをご覧になった方は「何が違うの?」と思われたかもしれません。同じマイクロソフトが出しているVDIのサービスなのですが、AVDはAWS WorkSpacesに近いPaaS寄りのサービス、Cloud PCはよりSaaS寄りのサービスになっていると思っていただければ良いです。
ちなみに、AWS Workspacesと比べた時のAVDとCloud PCの利点はWindowsやOfficeのライセンス周りにあります。AWS WorkspacesでMicrosoft Officeを使おうと思うとWindows 10のボリュームライセンスをAWS上に持ち込んだりと非常に面倒な作業があるのですが、Microsofotが出しているAVDとCloud PCはそのあたりの手間がありません。
さて、余談はここまでにして早速Cloud PCのセットアップをしていきましょう。
以下ではMicrosoft 365の環境(IntuneやAzureADなど)がすでにセットアップされている状態を前提に解説していきたいと思います。