今や世の中のあらゆるシステムの開発現場においてコンテナ技術は無くてはならないものになっています。コンテナ技術の中で最も広く利用されているのはDockerコンテナですが、昨年オープンソースソフトウェアであるDockerを開発しているDocker社が「Docker Desktop」というアプリケーションを有料化しました。
そこで、企業においてはどのように対応すべきか?また回避策はあるのか?を考えてみました。
Docker DesktopはDocker社が提供しているソフトウェアでオープンソースソフトウェアであるDockerをWindowsやMacOSにおいて簡単にインストールし利用できるアプリケーションです。
DockerはLinuxで動くものなので、LinuxではないWindowsやMacOSではこういったアプリケーションが必要になります。よって、WindowsやMacOSを利用している開発者のほとんどはこのDocker Desktopを今まで利用してきました。(Docker Desktop以外にも仮想マシンとしてLinuxを動かし、その中でDockerを動かすという方法があります)
なお、後述しますが最新のWindowsはLinuxカーネルを内包しているのでDockerの利用にDocker Desktopを必要としません。
Docker is Updating and Extending Our Product Subscriptions | Docker
昨年Docker Desktopの有料化のニュースが出た際には日本のSNSでも「Dockerが有料化!?」というようなワードが並びましたが、あくまでDockerをWindowsやMacOSで動かすための「Docker Desktop」が有料化されただけで、Dockerそのものは無料で使えます。
さて、有料化の内容ですが、以下のような内容です。
October 2022 Pricing Change FAQ | Docker
そして、2022年10月18日にはDocker社からこれらのプランの値上げが発表されました。
Teamプラン(年間契約) :月額7ドルから9ドルへBusinessプラン(年間契約):月額21ドルから24ドルへ
また、これまでTeamプランはユーザー数無制限でしたが、最大100名までに制限されることになりました。この100名の制限が企業によってはかなり厳しいものになります。例えば200名ほどでTeamプランを利用していた企業は一人あたり月額7ドル、全体で月額1,400ドルで利用出来ていましたが、Businessプランに移行しなければならない為、一人あたり月額24ドル、全体で月額4,800ドルとなんと従来の3.4倍以上のランニングコストがかかります。頭が痛いですね。